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首都圏外郭放水路 [工場見学へ行こう!]

さあ、「工場見学へ行こう!」の第4弾は、ちょっと「工場」とは違う気もするが、首都圏の治水を維持する首都圏外郭放水路へ。

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ここは、「地底探検ミュージアム龍Q館」という愛称がついている。 



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埼玉県春日部市にあるこちらの施設は、ぱっと見たところはいかにも「ハコモノ」な臭いが...




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一階の入口に入ると、二階へと続く階段の吹き抜けの部分にそびえ立つ地層の柱が迎えてくれる。
この施設を造る際、古代の貝殻等を含む貴重な地層が発掘され、それをこうして残している。




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受付で参加証をもらい、開始時間までしばらくうろうろ。




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この施設には多くの有名人が訪れているようで、壁にはサインがずらり。




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2階で目立っているのはずらりとモニタが並んだ監視室。
ここをガラス越しに見ることができる。
なんと、ウルトラマンシリーズの地球防衛隊(?)の司令室としてロケにも使われたんだとか。
たしかにそんな雰囲気。

時間ちょうどに見学会が開始。




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まずは、二階の展示室でパネルや模型を使った説明を聞く。

埼玉県東部は、昔から大雨のたびに洪水・浸水の被害を繰り返していて、その治水事業としてこの放水路が建設されたとのこと。

大落古利根川、幸松川、倉松川、中川、第18号水路の水位が大雨で上昇しあふれてしまうような状態になると、それぞれの川沿いに造られた立坑から地下に掘られた全長6.3kmの水路へと水が導かれる。
集められた水は江戸川近くの庄和排水機場(今いるこの建物)に併設されている第1立坑に集まり、そこの水位が上昇すると調圧水槽を経て江戸川へと放水される。

見学できるのは、ここの地下にある調圧水槽と第1立坑。




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パネルの説明の後、一度建物の屋上へ。
大きな太陽光パネルが設置されている。




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地下トンネルを掘った際に使用したシールドマシンの巨大な円筒が見える。




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建物横にあるサッカーグラウンド、この下に地下水槽がある。




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外に出て、そのグランドの横を歩いて移動。




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ここから地下へと続く階段を降りていく。
階段移動中は安全のため撮影禁止。




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写真中央に見える階段を降りてきた。 




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100段を越える階段を降りた先にあったのは、巨大な空間。
大きな柱が並ぶその姿は、地下神殿と呼ぶにふさわしい。




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地下水槽につながっている第1立坑はちょっと遠目に眺めるだけ。
危ないから当たり前か。
立坑ひとつの大きさは、直径約30m、深さ約70m。
ちょっとピンと来ないかもしれないが、自由の女神や発射台に取り付けられたスペースシャトルがすっぽりと収まるほどの大きさと言えば想像していただけるだろうか。




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水位が定常運転水位を超えると、江戸川への排水ポンプが稼動し始める。
雨がやみ、水位がポンプ停止水位を下回れば排水ポンプは止まる。




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地下水槽の空間は、長さ177m、幅78m、高さ18m。
この大きな柱ひとつは、長さ7m、幅2m、高さ18m、重さは500tにもなる。
59本の柱でこの水槽の天井を支えている。




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この放水路の建設には、2000億円を超える巨費が投じられたそうだが、この施設が稼動して以来、毎年平均して5~7回くらい調圧水槽と排水機場が稼動するほどの大雨があり、浸水被害は激減し江戸川流域の広い範囲の治水に大きく貢献しているそうだ。

第一印象はただの「ハコモノ」と思ってしまったがとんでもない。
地域の安心のためになくてはならない頼もしい、そして美しい施設だった。

<工場見学情報>
見学実施日;火~金曜(毎日3回、10:00~11:30, 13:00~14:30, 15:00~16:30)
ただし、天候により施設が稼動している場合は中止。
場所;埼玉県春日部市上金崎720 龍Q館 (最寄駅;東武野田線「南桜井駅」、駐車場有)
見学料金;無料 
写真撮影;地下水槽への階段以外はOK。
予約方法;インターネットまたは電話。
http://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/project/gaikaku/frame_index.html
048-747-0281
(受付時間:9:00~16:30)


おまけ

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地下水槽から地上に戻り排水機場の建物に戻るとき空を見上げると、一機の軽飛行機とそれに引かれるグライダーが。


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ちんくろ2級

あっしの家は亀有てぇ下町にありやして(と江戸弁をつかってみました、岡山出身のくせに)、江戸川が近こぅございます。
街の安全が春日部の施設に護られてるたぁ、こいつは驚いたねぇ!頼もしいねぇ!ってなもんです。
by ちんくろ2級 (2011-12-13 10:05) 

mayumi

ここは、テレビで紹介されていたのを一度見たことがあります。
一般人でも、見学できるんですね!!
古代エジプトの神殿を彷彿とさせる、威容な巨大建築・・・
十分観光スポットになりますね。

by mayumi (2011-12-13 12:12) 

ナツパパ

治水は100年先を見越して、という事業だそうですね。
こうやって人々の暮らしに役立つ施設、本当にありがたいことです。
もっと知られていい施設だと思いました。
by ナツパパ (2011-12-13 18:29) 

hideyuki2007y

水関連インフラってダムをはじめ巨大なものが多いですね。春日部市はさいたまからも近いのでいつか行ってみたいです。
by hideyuki2007y (2011-12-13 23:46) 

めぎ

ここに水がいっぱい入ったところを想像するとちょっと怖いですね。
by めぎ (2011-12-14 02:15) 

YAP

ちんくろ2級さん、mayumiさん、ナツパパさん、hideyuki2007yさん、めぎさん、コメント & nice! ありがとうございます。

ちんくろ2級さん、
お住まいは江戸川近くですか。
ということは、この施設の恩恵があるということですね。

mayumiさん、
見学できます。しかも無料です。
地下の貯水槽は圧巻でした、

ナツパパさん、
人々の暮らしを守るという意味で、こういう施設の存在意義は大きいですよね。
私たちの知らないところで支えてくれている人や施設がたくさんあるのを知りました。

hideyuki2007yさん、
水のエネルギはとてつもなく大きいですから、関連施設も巨大になりますね。

めぎさん、
この地下水槽ですが、完成してからこれまで、年平均で7回くらい稼動しているそうです。
それだけ日本は雨が多いということですし、ここを水で満たして守ってくれているということですね。

Lionbassさん、きむたこさん、あんぱんち~さん、末尾ルコ(アルベール)さん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2011-12-14 07:44) 

ちんくろ2級

江戸川近いです。おそらく恩恵を受けています。
矢切の渡し・・・がある柴又のほど近く。
ただ、すぐ隣ではなくて、江戸川の手前にもう一本、中川てぇ川があってその付近です。

by ちんくろ2級 (2011-12-14 16:44) 

リュカ

すっごいですね。ワクワクします。
地下の神殿、納得です。
監視室、映画で使われそうな空間だわって思ったら
やっぱりロケに使われていたのですね^^
by リュカ (2011-12-14 19:58) 

HIROMI

確かにハコモノ的な臭いがぷんぷんしていますが、それにしても広大な施設ですね。
名前は「地底探検ミュージアム龍Q館」と親しみを感じさせるのに、なんだか圧倒させられます。
by HIROMI (2011-12-15 00:52) 

YAP

ちんくろ2級さん、リュカさん、HIROMIさん、コメント & nice! ありがとうございます。

ちんくろ2級さん、
重ねてのコメントありがとうございます。
中川というとまさにこの施設沿い、水位が上昇すると第3立坑に流れていきますね。

リュカさん、
こんな空間が地下にあるなんて驚きですよね。
知らないところに知らないものがあるもんです。

HIROMIさん、
この水を逃がす地下トンネルが細く長く続いているところを龍に例えてこの名前にしたそうです。
by YAP (2011-12-15 07:49) 

YAP

mwainfoさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2011-12-16 18:51) 

YAP

ベアトラックさん、ユミさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2011-12-17 17:05) 

YAP

yamさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2011-12-18 06:17) 

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