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今後のエンジン技術動向 その1 燃費規制値について [仕事]

数少ないネタを広げるために、私の仕事に絡む、ちょっと固い話を短期シリーズとして書いてみようと思う。

もう昨年12月の古い話になる。

経済産業省と国土交通省が、自動車の新たな燃費基準値を公表した。
基準値といっても実質的には規制値であり、現行の2010年度基準より29.2%の向上を2015年度までに達成しなければならない
これは、世界的に見ても最も高い燃費性能水準だ。

と、思っていたら、欧州連合(EU)でも同様に今年の2月、2012年までにEU域内での新車販売の加重平均でCO2排出量を120g/km以下(2004年比で25%強の燃費改善)にすることを求める(現在は法案もない基本方針の段階)、という、文書が公開された。
各国で燃費率の表記が異なるためにわかりにくいが、欧州のこれは、先の日本の2015年燃費基準と比較しても約15%厳しい

この文書とは別に、欧州自動車工業会(ACEA)がEUに約束した「140g自主規制」というのがある。2008年から2012年までの間に、乗用車の1km走行時のCO2排出量をメーカー平均で140g以内にするという内容の規制だ。
しかし、現実には、ほとんどの自動車メーカーがこれを達成できない状況になってきている。
この状況を憂慮したEUが、「自主規制」であったCO2排出量削減案を、より厳しい数値で法的に施行しようとしているのだ。

いずれにしても、地球温暖化防止のために、世界中の自動車メーカは、待ったなしでの開発が求められる。

私は今、制御系サプライヤの身であるが、どれだけ進化した電子制御系でも、「優れたエンジンはその性能を最大限に発揮するように、そうでないエンジンはそれなりに」と、昔のCMのフレーズのようなことしかできない。
素材となるエンジンとそれを搭載するクルマのハード性能が優れていなければ、どうにもならないのだ。

ということで、ここまでを長い前置きとし、次回からはクルマ屋としての立場からは一線を置いて、自動車業界の今後のエンジン技術動向について、書いてみたい。


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Jalana

個人的には乗ってて楽しい車も好きですが、やっぱり環境にやさしい
車はメーカーにどんどん開発して欲しいです。
プリウスなんかももう少しスタイルが洗練されてきたら選択肢に入るかも。
by Jalana (2007-03-24 00:36) 

いっぷく

環境にやさしい厳しい基準を作ることも重要ですが、個人レベルでは極力車の使用を押さえるということを実践しています。
言いかえれば車で出かける用事が減ったということですが、
車を使用するすべての人がたいした用事でなければ使わないということが常識になるような社会を作れるといいです。
by いっぷく (2007-03-24 08:15) 

YAP

Jalanaさん、いっぷくさん、コメント & nice! ありがとうございます。

Jalanaさん、
乗って楽しいというのは、分かりやすい商品性の一つとして重要だと思います。
そういう点で、BMWをはじめとする欧州メーカはこだわりを持っていますね。

いっぷくさん、
まったくおっしゃる通りであり、クルマを運転することに喜びを感じる私にとっては、耳の痛い話でもあります。
いちおう、必要最小限にと思ってはいるのですが...
by YAP (2007-03-24 09:49) 

nanako

そんなに厳しい基準なのですね!
でも燃費基準は大切ですよね。

車って走ればいい!
みたいな部分があるんですが
YAPさんのお話を聞くと
視野が広まりそうでとってもためになります!
by nanako (2007-03-24 12:30) 

炎遊人

これは面白いテーマですね。 その技術動向というのを楽しみに待っています。 しかし、地球に優しくない車ばかり乗っている小生としては耳の痛い話になりそうです。
いずれ大排気量のアメ車は欧州や日本では輸入できなくなる日が来るかもしれませんね。 あそこの国自体京都議定書の決議内容に否定的ですし。
by 炎遊人 (2007-03-24 12:32) 

YAP

nanakoさん、炎遊人さん、コメントありがとうございます。

nanakoさん、
アメリカは、世界的に見てガソリンが安いせいか、あまり燃費規制は厳しくありません。
その代わり、カリフォルニア州の排ガス規制は世界一の厳しさです。
ロサンゼルスやサンフランシスコのような大都市での公害がひどく、現在の厳しい基準につながっています。
燃費と排ガスって一般の方から見れば同じようなものだと思われるかもしれませんが、解決する技術的には相反する部分もあるので、今回のシリーズ(?)では、燃費についての話にしようと思います。
nice! ありがとうございます。

炎遊人さん、
興味を持っていただき、ありがとうございます。
私自身も、クルマに乗ることはやめられないほど好きなので、こういうことを偉そうに書くのも変なのですが、そこはそこで置いときます。
アメリカばかりを叩くことはできませんが、たしかにあの国に行くと、「節約」という言葉があるのかどうか、疑わしく思います。
広い国土の中に、美しい大自然もたくさんありますが、都市部へ行くと空しさを感じることもありますね。
by YAP (2007-03-24 16:38) 

めぎ

つい最近、ドイツで環境シンポジウムがあって、その話を同僚から色々聞いていたところでしたので、興味を持って読みました。
自動車がなくなることはもはやあり得ないですし、早く走りたい人間の素直な気持ちも無くすことはできない。
そのような現実の中で、どのように排ガス規制していくかは、自動車を作り出す側も使う側も、双方で努力しなければいけませんね。
実際は、例えば電気にしたとしても、その電気を生み出すためのエネルギー源が必要なわけで、それを電気に変える際にしっかりCO2が吐き出されるはずなのです。その辺り、あまり注目されてませんね。
by めぎ (2007-03-24 23:21) 

こきさんじ

スウェーデンは環境問題にかなり力を入れていて、(県によって少し基準は違いますが)税金が安くなったり、路上駐車無料だったりとここ数年のエコ車とかの売り上げがかなり伸びています。
私はストックホルムに来て以来、車が必要なくなったので地下鉄、バスとかなり協力的(笑)。でももしありあまるお金があったらベンツのオープンカーをがんがん乗り回し、全然協力はしていないと思います(笑)。
by こきさんじ (2007-03-25 00:40) 

YAP

めぎさん、こきさんじさん、コメント & nice! ありがとうございます。

めぎさん、
クルマがここまで生活に浸透していると、なくすことよりも、どううまく使っていくか、ということを考える方が現実的だと思います。
電気については、私も常々疑問を持ちます。
特に、日本の冬季の過剰なイルミネーションを見ると、日頃のエネルギ削減につながる努力が、全てここで消費されている気がして、空しさを感じます。

こきさんじさん、
スウェーデンは、こういうところを真面目に国をあげて取り組んでいますよね。
日本は資源が乏しい国なので、こういう他国の良いところを真面目に見習ってほしいですね。
by YAP (2007-03-25 10:36) 

おろ・おろし

メーリングリストで、こんな話が飛び込んで来ました。

専門家の方から見れば、「トンでもない話」のように思えますが、
とりあえずご紹介まで。
私にはチンプンカンプンです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
地球温暖化阻止・理論最良エンジン発明にご協力のお願い

optic news 参加の皆様

(エンジン発明は同一燃料量100倍回転出力に改良が良い)
 全部の教科書類説明では既存エンジンが理論最良エンジンですが、既存エンジンには死点等致命的な欠点が多く、既存最良の蒸気タービン発電でも全く仕事をしない膨大な量の靜翼を多段に設けて、過熱蒸気速度を堰き止めて略90度方向転換し、音速に近付けて高速回転する動翼の後追い噴射として、90%前後しての過熱蒸気を動翼に作用不可の儘略90度方向転換し、タービン駆動エネルギを10%前後にして、仕事皆無の靜翼で過熱蒸気エネルギの90%前後を消費する致命的な欠点が有り、全動翼水銀タービンとして既存蒸気爆発力の一部乃至全部を水銀爆発力とし、水銀を真空中で垂直下方に重力加速度を追加した加速として、大気圧仕事率㎏重m/秒を蒸気タービンの1700×13、55倍=2、3万倍に近付け、水銀の転がり接触全動翼水銀タービン駆動とし、同一燃料量100倍回転出力以上のエンジン発明全自動製造が、労働コスト低減競争より良いのです。

(既存蒸気タービン発電継続で人類絶滅阻止不可能になる予想の発明)
 既存火力・原子力発電所では発電熱量全部で海水温度を6℃前後上昇して、植物プランクトンを死滅・魚類を激減しており、中国が発電量を年率10%上昇すると、日本近海の海水表面温度上昇速度は10年で2倍~100年では1024倍に加速度的上昇し、CO2濃度上昇より海水表面温度上昇は桁外れに早く、例えば海水表面温度の上昇により米国東部に拡大した竜巻の凶暴化等、異常気象の豪雨や旱魃が限り無く加速して、100年前後で風速300m/秒や海面上昇6m等、人口密度最大の東アジア日本は塩風で緑も建物も皆無塩の山となり、食糧激減等により人類絶滅に近付く予想の発明です。テレビ映像のように南極の氷は海面以下の消滅で崩落しており、一刻も早く虚偽説明を改善して海水表面温度上昇をコンピューターに入力し、一刻も早く既存の蒸気タービン発電を熱と電気と冷熱の供給設備に入替えして、海水表面温度上昇を阻止して燃焼ガス排気温度を-273℃に近付け、CO2をドライアイスその他で有効利用し、人類絶滅を先送りしましょう。

(既存技術の100倍等理論最良の回転出力を利用する発明)
 既存蒸気タービンを小学校理科の仕事率㎏重m/秒で考えるとき、大気圧仕事率が水の1/1700重量の過熱蒸気で回転出力を発生しているため、既存蒸気タービンに水の13、55倍重量の水銀蒸気爆発出力を追加して、靜翼を全廃全動翼とした全動翼水銀蒸気タービンの回転出力にし、530℃24MPa過熱蒸気爆発力と600℃高温水銀爆発力+40~400MPa水銀噴射ポンプ速度により、重力最大の液体高温水銀を真空中で垂直下方
に重力加速度を追加した加速として、大気圧仕事率を過熱蒸気の1700×13、55倍=2、3万倍に近付け、全動翼水銀蒸気タービンを駆動し、回転出力の過程では高温水銀+高温水銀爆発力により過熱蒸気を加熱して、乾き蒸気と水銀の転がり接触により摩擦損失最少とし、既存技術の100倍回転出力等の理論最良回転出力にして、排気熱量を回収利用する空気吸入ポンプを駆動して排気熱量を最大限繰り返し回収利用し、吸
入空気圧力を極限まで最も効率良く圧縮して理論最良のヒートポンプを構成100倍回転出力にします。

(以下、長すぎるので省略)
by おろ・おろし (2007-03-27 22:14) 

YAP

おろ・おろしさん、コメントありがとうございます。
発電所のような、プラントで使用するかなり大型の機械に関しての解説のようですね。
正直なところ、私にもさっぱりわかりません。
少なくとも、自動車用エンジンは、理論的な効率に対し、30%程度しか仕事をしていませんので、まだまだ改善の可能性(技術的に「余地」という言葉は安易に使えません)があるかと思います。
by YAP (2007-03-28 08:04) 

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