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久々にエンジンから噴水 [仕事]

お客さんの自動車メーカから新しいエンジンが届いた。

エンジンベンチにセットアップし、慣らし運転を開始。自動車メーカ各社で独自の慣らし運転パターンを持っているが、30分とか1時間毎に、少しずつエンジン回転や負荷を高くしていく。

初めて回す試作のエンジンというのは、何年この仕事をしていても、けっこう緊張するもの。耐久試験も自動車メーカで同時に並行していたりして、信頼性が未確認のものが多く、いつ壊れるとも限らないからだ。

そんな緊張感を持ったまま、4000rpmまで達した。そろそろエンジンの負荷も上がり、温度・圧力関係のモニタに、それまで以上の注意を払わなければならない領域だ。

操作室の監視窓からエンジンの様子をのぞいたそのとき、ラジエータキャップの口のところから、水が噴水のように噴き出した!

慌てて非常停止ボタン(ベンチ内の全ての電源がシャットダウンされる)を押し、エンジンを止める。

エンジン内の冷却水のエア抜きが完全でなく、異常な圧力上昇が原因だったと思われる。きちんと閉めたはずのラジエータキャップも吹っ飛んでいるのが不可解(構造上はずれにくい)で、人為的なミスもあったかもしれない。

とりあえず、発生してすぐにエンジンを止めることができたので、大きな事故にならなかったのが幸いだが、ベンチ内の床は赤い冷却水(ロングライフクーラント50%混入)でビチャビチャだ。冷却水は天井にも達し、ポタポタと滴り落ちている。

ほのかに甘いエチレングリコールの香りの中、その日は拭き掃除で終わってしまった。


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nanako

大事にならずによかったですね!!
しかし、新しいものの確認って怖いですよね!!
緊張するのも分かるような気がします。
エチレングリコールの香りってどんな感じですか??
やっぱり薬品くさくていやですか??
by nanako (2006-02-11 09:06) 

YAP

nanakoさん、コメント & nice! ありがとうございます。
何年やっても、「初モノ」は怖いです。
エチレングリコールは、アルコール類ですので、そんな感じの軽く甘い香りです。毒性があるので口にすることはできません。
それ自体は無色らしいですが、クルマの冷却水として使用するときに水と識別できるように、赤、青、緑等、かなり鮮やかに着色してあります。
カキ氷のシロップを思い出していただければイメージしてもらえるでしょうか?
by YAP (2006-02-11 19:00) 

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