仕事の成果と喜び

手前味噌ではありますが．．．

私が前に勤務していた会社で、「適合」という仕事を担当していたエンジンを搭載したクルマが日本で発売となった。

このクルマ、既に北米、ヨーロッパでは今年の初めに発売済みで、日本では少し遅れてこの夏から正規輸入が開始される。車種、グレードをここで書くと、会社と個人が特定されてしまう可能性があるので書くことはできない。 自動車業界は意外と狭いので。

「適合」という仕事は、いずれ詳しく書く機会を設けるが、エンジンの性能を引き出すよう、制御系の最適化をすることだ。表に出ることはない地味な仕事ではあるが、商品性を左右する重要な部分だと自分では思っている。

自分が担当する製品が世の中に出るというのは、製造業に従事するものの醍醐味だ。値段が値段なだけに、あまり売れるとは思えないし、もちろん自分で買うことはできないが、ディーラーへ試乗には行こうと思う。

最近、それ以前に自分が担当していたエンジンは、途中でプロジェクトが頓挫したり、欧州での発売しかなかったりで、この喜びを感じるのは7年ぶりくらいになる。

きっと、システムエンジニアとかであれば自分が担当したシステムが納入先で稼動し始めたときとか、病院に勤務する人であれば担当する患者さんが退院するときとか、お店をしている人であれば自分が仕入れた商品が好評だったときとか、同じような喜びを感じられるのだろうと思う。

私の周りで、こういう一つの区切りを迎えても、あまり興味を示さないクールな人が時々いる。
仕事は自分の思い通りに進まないことの方が圧倒的に多く、自分の無力さに打ちひしがれる日々で悶々としている人も多いと思うので、浮かれた気持ちになれなかったりするのだろうと思う。
しかし、だからこそ、こういうときには素直に喜んで次の仕事へつなげたいと私は思う。