三度目のスウェーデン出張 海外でのヒヤリハット [スウェーデン出張]
「ヒヤリハット」については、以前書いたこちらの記事をご覧ください。ちなみに、私の過去記事で、閲覧数は断トツのトップを爆走中の記事だ。
週末も近づいてきたある日のこと。
お客さんのエンジニアと一緒にテストをすることになり、私の運転で一般道へ出た。
数時間テストをして、テストコースに戻った。
その時期、私が担当するプロジェクトでは、日本から私だけの参加だったが、別のプロジェクトで、違うチームの同僚が参加していた。
週末の休日、日本人二人でどうしようかと相談し、アイスホテルに行ってみようということになった。移動の足は、私のプロジェクト側で、試験車両を一台貸してもらえることになっていた。
ところが、そのもうひとつのプロジェクトのお客さんから、思いがけない言葉を聞いた。
「そういえば、うちの試験車はスウェーデン人向けにしか保険に入っていないぞ。もし事故とか起こしたりすると、自腹での補償になるからそのつもりでいろよ。」
何という衝撃の事実。
休日にクルマを借りるという話はキャンセルするしかない。万が一のことで、この先の人生を台無しにするわけにはいかないので。
それよりも、私は既に試験車両で一般道を走っていた。一緒に乗っていたお客さんエンジンニアも、そのことは知らなかったらしい。無事故で無事に帰って来られたことを、これほどありがたく思ったことはなかった。
この日の前日、テストコース内の掲示板に、一枚の紙が貼り出されていた。
ある自動車会社がスウェーデン内でのテストトリップ中に、一般の人を巻き込む事故を起こしてしまい、その方が亡くなったという内容だった。
私たちにしてみれば、違う会社の話だと思いたいのだが、一般の人からしてみれば、
「自動車会社が一般道で、車検も通らない試作車で事故を起こして人をひき殺した。」
という話になるだろう。
決して他人事ではなく、私たちの仕事を社会からきちんと理解してもらうためにも、自らの問題として受け止めなければならない。
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