KENWOOD コンパクト Hi-Fi システム U-K323 レビュー その2 [モノ]
KENWOODのコンパクト Hi-Fi システム、U-K323 レビューの後半を。
この製品のモニターで、その基本性能の良さを感じるとともにCD の音の良さも再確認したが、人間は一度便利なものに慣れると、そっちに流れていってしまうもの。
この製品には、背面にUSBポートがついており、USBメモリに保存した音楽データを再生することができる。
圧縮された大量の音楽データをまとめてUSBメモリにコピーすれば、ディスクの入れ替えなしに、長時間音楽を楽しむことができる。
私は、ふだん iPod で音楽を聴くときは、全曲をシャッフルして聴いているのだが、USBメモリ内に保存したデータを "RANDOM" モードで再生すれば、同様の使い方ができる。
ここでこの記事の本筋とはそれるが、改めて気づいたことが。
やっぱり圧縮した音楽データは、音でCDにはかなわない。
同じ曲をそれぞれのソースで聴き比べて、それを改めて感じた。
音質調整的な機能としては、高温(TREBLE)、低音(BASS)の調整のほかに、dts Sround Sensation という、dts社が開発したバーチャルサラウンド技術を採用した音場効果システムで、臨場感を増すことができる。
こういう類の音場効果は人によって好き嫌いがわかれるところだが、私はなかなか気に入った。
2段階あり、"1" でなかなかの効果があり、本体のサイズ以上の音の広がりを違和感なく感じることができたが、"2" だと逆に音全体がこもったような不自然な感じになった。
これは、部屋や設置環境にも左右されるだろう。まあ、私は畳の上に直置きしかできなかったので...
ディスプレイには曲名(ファイル名)が表示されるが、漢字は無理。
解像度の高い液晶ディスプレイとかだといいのだが。
あと、書いておかなければならないと思うのだが、レビューその1で、何人かの方から、BOSEの製品(Wave system)によく似ているというコメントをいただいていた。
デザインもそうだが、コンパクトなボディながらサイズを超えた高音質をという製品コンセプトまでよく似ている。
というか、後発の本機種のほうが相当BOSEを意識しているとしか思えない。
工業製品の世界では、どこかが斬新な製品を市場に出してそれがヒットすれば、それに他社が追随するというのはよくある話。
だが、熱烈なBOSEファンからすれば、この製品の存在はおもしろくないだろう。
私個人的には、価格帯も大きく異なるし、これはこれで良いのではないかと思う。
どこかの国の製品みたいに(見た目だけの)コピー製品ではないし、それなりの性能を達成しているし。
他に気になったのは、デザインを優先するあまり、あらゆる端子が背面にあること。
入力関係や、チューナーのアンテナはいいとしても、ヘッドホンやUSBの端子まで背面とは、どうしたものか。
光デジタル入力や dts Soround Sensation を備えていることからも、デジタル放送の音声出力として使うことも想定されていると思うのだが、テレビ台の下に置いたりしたら、これらの端子は使いにくくてしょうがない。
それでは、恒例の私の独断と偏見による自己採点を。
性能;9点
このコンパクトなボディで、必要十分な音質。
dts Sround Sensation の効果も不自然ではない。
機能;7点
シンプルに機能を絞っているので、商品コンセプト的にはこれで不満はない。
あえて書くと、SDメモリカードとかのUSBメモリ以外のメディアにも対応しているといいかも。
一般的なスティックタイプのUSBメモリの形状だと、本体からの突起となり、誤ってコネクタ部を折りそうな心配があるので。
操作性;5点
機能がシンプルな分、操作系もシンプル。
その割りにリモコンのボタンの数は多いのだが、そのくせに音質の調整とか、3アクションが必要で、直感的に操作が判りにくい部分も多々ある。
これはもしかすると、KENWOOD製品の操作系に慣れている人であれば、問題ないのかもしれない。
もちろん、基本的な再生等の部分については迷うことは何もないのだが、私はいろいろといじってみたがり、機能試したがりなので、ちょっと厳しい採点になってしまった。
フェイリンさんにコメントいただいたように、本体で操作するのが好みの人には、ボディ上面の操作系は使いにくいかもしれないので、これも減点ポイント。
USBやヘッドホンの端子が背面というのも、使いにくくてだんだん不満がたまっていきそうだ。
デザイン;8点
上面のスイッチ類や、背面の端子類等、操作性を犠牲にしてまで徹底したデザインは評価が分かれるところだと思うが、私はBOSEのWave systemよりも洗練された感じがして、スタイリッシュだと思う。
カラーバリエーションも、このブラックの他に、シルバー、レッドがラインナップされている。
フロントのスピーカーの枠の部分が色違いとなり、好みに合わせて選ぶことができる。
コストパフォーマンス;10点
各項目点で、初めて10点満点をつけてしまった。
家電量販店の実売価格で 39,800円。
ネットで安い店を探せば、さらに10,000円くらい
性能的に考えれば、これはかなりお得ではないかと思う。
価格的には一昔前だとCDラジカセの標準的なレベル。
この価格で、それなりに音質にこだわったモデルが買えるというのがうれしい。
総合;39点
操作系に少々難を感じたが、それ以外はかなりの高得点。
基本性能、機能がしっかりしていて、エンジニアの思いも感じられる。
けっこうお奨めできる製品だと感じた。
なるほど、39,800円はコストパフォーマンス的にはいいかもしれませんね。
USBメモリーが突き出していると、裏とはいえ危ないのは確かだと思います。
by Lionbass (2010-03-27 20:34)
やはりUSBメモリーを接続して聴けるというのがポイントだと思うので
その端子を後ろ以外に前面でもいいからつけてほしいと思いますね。
買う気にさせるのはもう一歩かな。それと本体の色が保守的なので斬新なものにしてもいいかな。
by いっぷく (2010-03-27 20:48)
日本でこのメーカーのを使っていたことがありますが、音もよかったし、デザインが格好良かったなあ・・・と今でも懐かしく思い出します。
by めぎ (2010-03-27 22:59)
Lionbassさん、
突き出しが少ない小型のUSBメモリだといいですけど、まだまだこの写真の大きさのが主流ですよね。
本文にも書きましたが、SDカードも使えるといいと思いました。
いっぷくさん、
3色あるうちのレッドはなかなかおしゃれだと思いますよ。
けっこう部屋のアクセントになると思います。
http://www.kenwood.co.jp/products/home_audio/acoustic/u_k323/pop03.html
めぎさん、
ヨーロッパでは、KENWOODの知名度ってどうなんでしょう?
デザインはけっこういいですよね。
きむたこさん、アヨアン・イゴカーさん、toraneko-toraさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2010-03-28 11:24)
おお!素晴らしいですね。
USBさして音楽聴けるのもいいな(^^)
by いとお (2010-03-28 13:37)
世の中の進歩についていってないなぁ・・・と、実感してしまう私です(^^;
by junko (2010-03-28 14:37)
機能が凝縮している様子が良いですねえ。
小さく纏まっていて高性能、というスタイルは、心を揺さぶります。
要は割り切り、なんでしょうか。
by ナツパパ (2010-03-28 19:43)
これ、一時期真剣に買おうかと思いました。
私が使うのではなく実母が主たる使用者であったため、結果的に止めました。直感的に、且つ高年齢者にも簡単に使えるわけではないと思ったためです。実母、音には結構うるさいんですが、簡単に使えないのはやっぱりダメみたいなんです。
ちなみに私は、同じくケンウッドのR-K700のCD/MD Receiver AmpにBOSEの301Vをつないでいます。もう3年半前の話ですけどね(苦笑)。
by 監督 (2010-03-29 23:40)
いとおさん、junkoさん、ナツパパさん、監督さん、コメント & nice! ありがとうございます。
いとおさん、
最近のコンポは、USBメモリに保存した音楽を聴けるのは標準に近いですね。
便利になりました。
junkoさん、
こういう製品も、確実に進歩しているというのを感じます。
私がこういうものに興味を持ち始めたころからすると、隔世の感があります。
ナツパパさん、
割りきりって重要ですよね。
あれもこれもと欲張ってしまうと、使いにくくなって、何をしたい商品か、わからなくなってしまいます。
監督さん、
CDやラジオを聴くだけなら、これもシンプルで使いやすかったと思いますが、例えばUSBメモリを挿してとなると、パソコンが必要になってきますから、ちょっと高齢の方には難しくなりますね。
by YAP (2010-03-30 08:09)
コストパフォーマンスが効いていますね、さすがです。
ただ、やはりヘッドフォン端子は、前面にあった方が便利ですよね。
by ベアトラック (2010-04-01 13:11)
ベアトラックさん、コメント & nice! ありがとうございます。
よく使う端子は、前面がいいですよね。
デザインを意識するなら、開閉式のカバーで覆うとか。
by YAP (2010-04-02 07:48)