SSブログ

原発には、断固反対 [雑]

前回、我が家の節電、というか、たぶん他の一般家庭よりは電気を使わない生活の一部を紹介したことからの流れで、ちょっとこれは書いておきたい。

世の中のすべてのことに対し、人それぞれに意見や考え方があり、それはいくら議論しても永久に交わることのないことも多くある。
ブログのようなネット上の仮想世界においては、意見の相違はさらに日常的なものとなり、どうかすると不毛で過激な水掛け論に発展してしまいかねないので、私はあまりそういうことを記事で主張しないようにしてきたつもりである。

けど、日本を騒がせているこの件については、やはり自分の立場というか、意見を明確に示しておきたくて。

 

3月11日以前、私は原子力発電に対して、「安全性に不安はあるが、日本の国民生活のためにはやむを得ないもの」、所謂、「容認派」であった。

しかし、あの日を境に、完全否定派になってしまった。
安全対策はしっかりやってある、環境に優しい、コストが安い、これらすべてが推進派の人たちが作り上げた都合のいい論理でしかないということがわかったので。

福島原発は、当初、地震には耐えたが想定外の津波がやってきたために、その衝撃でダメージを受けたと言われていた。
ところが、最近になって、最初の地震で既にかなりの損傷があったことがわかってきた。
つまり、耐えられるといわれていた震度でさえ、耐えられないような代物だったわけだ。
日本のような地震大国では、他の原発でも同様に公表されている耐震強度になってない可能性は大いにあると思っている。

原発は発電時にCO2を出さないため、環境に優しいと言われていた。
しかし、今回のような事故が一度起これば、CO2なんかよりももっと環境に悪い影響を与えるもの、私たちの健康や生活を脅かすものを撒き散らす。
正常な状態で運用されているときでも、放射性廃棄物は生まれる。
それを地下深くに埋めるとか言っているが、そういうのは問題を先送りしているに過ぎない。
何百年か後に、放射性廃棄物が廃棄施設に収まりきらなくなった頃、その時代に生きる人たちは先人たちの造ったこの施設を恨めしく思うに違いない。

コストが安いというのも、何も問題なく運用し続けることができれば、そうなのかもしれない。
しかし、一度このような事故が起きれば、国家を揺るがすほどの莫大なコストが発生する。

原発に反対する私のような人間に対して、推進派、容認派の人たちは、「経済を守るために必要なのに、現実を見ていない」と言う。
これが私にはどうにも理解できなくて、現実を見ていないのは、こんな状況になっても、まだ原発を動かせといっている人ではないかと思う。
こんなハイリスクなものに頼ってまで、経済をどこまで成長させようというのか。
もっと単純なことを考えて、自分の住む場所や自分の故郷のすぐ近くに原発があるとして、それが福島原発のような事故を起こしたと想像したら、同じことが言えるだろうか。
そんなに原発が必要なら、東京湾にでも霞ヶ関にでも造ればいい。安全なんだから。
仮に安全対策をしっかりやっていたとしても、最後にそれを扱うのは人間。
スリーマイル島も、チェルノブイリも、もんじゅも、東海村も、事故の引き金になったのはヒューマンエラーと言える。
人は必ずミスするものだし、ひとつのミスが制御不能な危機的状況につながるのが原発だ。

 

東日本大震災前、政府や多くの企業は、「サステイナブルな社会を作る」とか「CO2 25%削減を目指して」とか、そういうことを超え高らかに言っていた。
今は、経済のために「原発を稼動させろ」と言うばかりである。
私は一民間企業に勤務するサラリーマンだが、最近、経済が拡大し続けなければならないという世の中の姿勢に疑問が多くなっている。
安全と引き替えに、さらには環境と引き替えにしてまでも必要なことなのかと。

これから夏に向けて、電力需要が逼迫しそうだ。
原発の変わりに、再生可能エネルギーをなんて言っても、すぐにどうこうできる話ではない。
そこが原発推進派の最大の主張なのだが、これを機会にライフスタイルを見直すという選択はないのか。
エネルギー消費に頼らない生活をすればいいじゃないかと思う。20年前だって、既にそんなに不便な生活ではなかったはず。
ヨーロッパに行くといつも思う。夜と日曜はみんなで休めばいいじゃないかと。
それでもその国の人たちは、心豊かに生活している。

 

なんだか、とりとめなく乱文を書いてしまった。
念のために書いておくと、私は共産主義者でも原理主義者でもないので、それだけは誤解しないでいただきたい。
最初に書いたように、この意見に対して異論、反論を持つ人はたくさんいるだろうと思う。
それは、永久に意見が交わることはなく、平行線で議論にならないだろう。
私はこれまで各地を転々としているが、人生の半分以上を原発からそう遠くないところで過ごしてきた。
それだけに、福島の事故はとても他人事とは思えない。

 

次回から、またいつものゆるい記事に戻ります。


nice!(18)  コメント(14)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 18

コメント 14

盗人・李メドベージェフ

電力多消費社会は、売れる商品を作り出す企業の商業活動の結果として生まれたものである。
1つは人力を機械に置き換えてきた。洗濯機、掃除機及び炊飯器などがその一例である。節電のために人力でやろうとする人はいない。つまり昔に戻ることはできない。

by 盗人・李メドベージェフ (2011-06-26 17:52) 

めぎ

今私が暮らし、給料をもらっているドイツという国が、被爆国でも事故が起きたわけでもないのにどうしてこんなにあっという間に原発廃止に転換できたのか、どうしてこんなに敏感に、日本という当事者よりも敏捷に、政策転換ができたのか・・・しかも、多くの企業がその政策転換を支持しているという話ですからねえ。まあ、企業としては、未来のエネルギー開発はビジネスチャンスなんでしょう。巨額な予算で税金払う庶民は大変だし、今の経済は絶対に逼迫するでしょうけれど。
確かにドイツでは、夜や日曜日に店が開いていなくても、特に不便を感じることなく豊かに暮らしています。でもそれは、通勤時間が15分から30分ですむことや、定時で帰宅するのがきわめて普通の社会であることが前提じゃないかなとも感じます。平日に時間の余裕があるから、夜遅くまで起きたり日曜日に買い物に出かけたりしなくて済むんですよね。
by めぎ (2011-06-27 00:06) 

ベアトラック

全く同感です!
今回の記事には、nice! をまとめて10個押したいくらいです(苦笑)
私たちも、新潟県柏崎刈羽原発から約50kmの地点に住んでいます。
他人事ではないので、私も原発には断固反対です!

by ベアトラック (2011-06-27 07:03) 

YAP

盗人・李メドベージェフさん、めぎさん、ベアトラックさん、コメント & nice! ありがとうございます。

盗人・李メドベージェフさん、
誤解されてしまったようですが、昔に戻ろうと言っているわけではありません。ライフスタイルを見直したほうがいいのではと言いたいのです。
これもたぶん、意見の合わない方とは揚げ足の取り合いで不毛な議論になってしまうのだろうと思います。
ちなみに、うちのかみさんは節電のためによくほうきや雑巾がけで掃除してますよ。

めぎさん、
ドイツほどの先進国が、ほとんど残業もせず、夜や日曜にお店を営業していなくても成り立っているという事実が、ひとつのポイントだと思います。
なぜドイツにそれができて、日本にはできないのかと。

ベアトラックさん、
その原発は、ベアトラックさんのお住まいの地域のためのものではなく、関東に電力を供給するためのものなんですよね。
推進派の人の多くは、原発から遠く離れた地域に住んでいるか、同じ自治体に住んでいて補助金の恩恵にはまっているかではないでしょうか。
福島原発の近く、かつ、経済的恩恵を受けていなかった人で、今でも賛成している人はいないでしょう。

Jalanaさん、リュカさん、きむたこさん、またじさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2011-06-27 07:37) 

ユミ

他の国が原発の廃止を決定している中、
日本は何をしているんだろう…と思ってしまいます。

by ユミ (2011-06-27 18:35) 

ナツパパ

わたしも原発は無くしていった方が良いと思います。
by ナツパパ (2011-06-27 20:10) 

トリバン

原発をやめると電力コストが高くなって企業がさらに外国から出ていくなんて、意見を最近良く耳にします。
その通りだと思います。
要は、それを許容するかどうか。
つまりは生活のレベルを下げる覚悟があるかどうかということだと思います。それだけではなく、失業者、貧困者等のレベルも。
え?私の意見ですか?
みんなで貧乏になるならそれはそれでいいかもって。
by トリバン (2011-06-27 21:30) 

hideyuki2007y

太陽電池や風力発電で涼しく暮らせる日々が来ると良いと思っています。そして、これから原発を廃止した場合でも、既に燃やした核燃料や放射性廃棄物とはほぼ永遠につきあって行く必要があります。
by hideyuki2007y (2011-06-27 22:20) 

junko

20年前の暮らしに戻らなくても、無駄なものを省けば20%くらい
なんとかなりそうな気がしますね。                    
新しい電化製品は、どんどん省エネのものになってますし・・・。
(って、どれくらい省エネなのかはわかりませんけど。。。)
お店とかの日曜定休とか、夜早い時間で閉まるとかは全然気になりません。
週に1~2日遅い時間まで開いてれば、それでOKですよね。
by junko (2011-06-28 00:59) 

YAP

ユミさん、ナツパパさん、トリバンさん、hideyuki2007yさん、junkoさん、コメント & nice! ありがとうございます。

ユミさん、
日本が原発にこだわる最大の理由は、利権のある人がそういう意見に誘導しようとしているからではないかと勘繰ってしまいます。
ほんとに何をしているんでしょうね?

ナツパパさん、
リスクが大きすぎますよね。
なんだか、ドラッグみたいに思えるんですよ。
一度その効果にはまるとデメリットがどんなに大きくてもやめられない、自分だけはコントロールできると思ってもコントロールできない、気づいたときには体(事故のあった地域)がボロボロになってしまってる。

トリバンさん、
私も以前はコストに対して同様に考えていました。
けど、一度の事故で天文学的な賠償金や事故処理の費用が必要となり、それは当然電力コストとして跳ね返ってきます。
それを考えると、原発を続けることのほうが高コストだと私は考えます。
みんなで貧乏は、程度問題ですが、生活していけるレベルであれば私もそれでいいかなと思います。
あまり多くは書きませんが、お金があると、人間はダメになってしまうという例もけっこう見てきていますので。

hideyuki2007yさん、
そうなんですよね。
既に手を染めてしまっているだけに、放射性廃棄物はたくさんあるんですよ。それをこの先どうするのか。
まあ、お上はこの問題を先送りすることしか考えてないでしょう。

junkoさん、
まだまだ身の回りには無駄なものがたくさんあると思います。
もちろん我が家にも。
そういうものをひとつずつなくしていくという意識が必要ですよね。
意識改革が必要だと思います。

とみっちさん、da-kuraさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2011-06-28 07:47) 

HIROMI

わたしも、結構原発の安全性は信じていたんですよ。
でも今は、全ての物を疑いの目で見なきゃいけないんだという考えをもつようになりました。
青森県は原発の依存度が高くて、まいっています。
by HIROMI (2011-06-28 22:30) 

YAP

HIROMIさん、コメント & nice! ありがとうございます。
青森県は廃棄物の処分場の問題とかもありますもんね。
あれも、後の世代に問題を先送りするための施設。
補助金に頼らざるを得ない自治体のことも、深刻に考えなければならない問題だと思います。
by YAP (2011-06-29 07:38) 

いっぷく

福島原発事故は日本のエネルギー政策を考える上で歴史的な転換点になるべきです。
地震多発国日本では原発を廃止する方向で代替エネルギーを考えていかねば未来に生きる世代に負の遺産を押しつけるだけ。
経済優先社会を突き進むのが幸せへの道と考えるのは誤りだと思います。

by いっぷく (2011-06-29 10:26) 

YAP

いっぷくさん、コメント & nice! ありがとうございます。
おそらく、多くの人が、経済至上主義で拡大発展を最優先にしている今の社会のままでは、いずれいろんな点でツケを支払わなければならないときがくるということをうすうす感じているのではないかと思います。
今回の事故は重大な悲劇でしたが、これを教訓に正しい方向へ向いてほしいと思うのですが。
by YAP (2011-06-30 07:38) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

我が家の節電対策FUJIFILM FinePix F55.. ブログトップ
JAL 日本航空 特便割引

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。