東和電子 薄型TV用スピーカー Olasonic TW-D7OPT レビュー その2 いつものテレビをちょっとグレードアップ [モノ]
東和電子の、Olasonic TW-D7OPT のまとめ記事です。
製品の特徴、設置からファーストインプレッションまでは、レビュー記事 その1で既に書いている。
前回はCDを聴いて純粋にオーディオスピーカーとしての実力を試したが、今回は、いよいよテレビ映像でのインプレッションを。
上のテレビ画面の映像は、LOST season3 のワンシーン。
ご覧のように、テレビの画面からあまり外にはみ出ないように置くと、けっこう締まった感じで自然に聴こえるというのは前回も書いていた。
CDで音楽を聴いていたときはさほど思わなかったのだが、DVD のような映像コンテンツを再生すると、特に低音でやや物足りなさを感じる。
これは、どうしても比較対象が我が家の 5.1ch とになってしまうので、しょうがないといえばしょうがないか。
いくらサイズ以上の低音を鳴らしてくれるとはいえ、サブウーハーには比べるべくもなく。
こう書いてしまうと、期待はずれみたいな印象を持たれるかもしれないが、そんなことはない。
年明けにハワイ旅行から帰った後、LOST の DVD BOX を購入して、休みはそればっかり観ているみたいな感じになっているが(この話はまた別の機会に)、ソースとしての LOST は、こういう製品を試すのに、なかなかうってつけのドラマだ。
LOST は、海外ドラマの中でも特に効果音やBGMに凝っており、ダイナミックレンジもかなり大きい。
それだけに、スピーカーがしょぼいと、ささやくような声やビーチに吹く風の音が聞こえなかったり、飛行機のクラッシュシーンのような大きな音は頼りなく歪んだりしてしまう。
このスピーカーは、このサイズから想像される実力を超え、低音から高音まで、かすかな音から大音響まで、しっかりと聴かせてくれた。
もちろん、日常のテレビ番組、ニュースやバラエティなんか、余裕でこなしてくれる。
画面の中の人たちのセリフははっきりクリアに聴こえるし、必要な場面では力強さもしっかりと感じることができる。
こんな小さなものを二つ並べただけに見えるが、聴こえてくる世界は明らかに違ったものとなる。
音のことばかり書いていたが、便利な機能をひとつ書いておく。
本機種はオートパワー ON/OFF 機能がついていて、テレビの音声出力の有無を感知して、自動で電源の ON/OFF を行なってくれる。
3.5Wの低消費電力を誇るが、さらに、しょうもない電源の切り忘れも防いでテレビとの一体感を生んでいる。
それでは、いつものように偏見に満ちた自己採点を。
性能;8点
もちろん、絶対的な性能は本格的なアンプにかなうはずもない。
なので、このスコアはちょっと甘いかもしれない。
欲を言えば、もう少し低音に力強さがほしいところ。
しかし、テレビ内蔵スピーカーと比べると、明らかに音の厚みが増したことがわかり、音場も豊かに広がる。
本格的なスピーカーとアンプを設置するには場所の問題やコストの問題もある。
このサイズならそんなことも気にする必要はなく、いい選択となるのではないかと思う。
機能;6点
基本的にスピーカーとしての機能のみなので、ここは特筆するようなこともなく。
あえて書くなら、オートパワー ON/OFF 機能がありがたい。
これに、後付のサブウーハー接続が可能だと、拡張性も広がりおもしろいと思うのだが。
操作性;5点
テレビとつないで使う製品なので、PC用の TW-S7 に対してリモコンが付属しているのはありがたい。
けど、サイズが小さすぎてねえ。
当然のことながらボタンも小さく押しづらい。
指が太い人だと、大変だと思うなあ。
それに何より、この大きさだと簡単に失くしてしまいそうだ。
借用していたこの1ヶ月間、とにかく失くさないように、それが一番の心配事だった。
デザイン;5点
これは好き嫌いがわかれるだろう。
愛嬌のある卵型のボディは、音の回折やキャビネット内の定在波を防いでくれるとのことだが、実際それがどれほどのものかというのが正直なところ。
コーン部の保護も兼ねているクモの巣形状のディフューザーも、そんなに効いているのかなあ?
せっかくいい音なのに、全体的に安っぽいというかおもちゃっぽい作りなのが残念に思う。
コストパフォーマンス;6点
大手家電量販店で16,000~17,000円くらい。
この価格でテレビの音が数ランクアップするというのはひじょうにありがたい。
しかし、この手の製品は競合品も数多く、サブウーハーがついて15,000円以下なんて製品もある。
絶対的な価格は安いし同じ製造業の人間として同情するのだが、価格競争力はそれほどでもないと思った。
まあ、他の同様の製品の実力がどれほどのものかということを知っているわけではないので、いちおう、「実力で勝負」していると考えよう。
総合;30点
あれ?意外と得点が伸びなかった。
手前味噌ではあるが、こんな風に採点すると、評価が客観的なものに近づいて、今更ながらいいかもと思えてきた。
いまひとつになってしまった点数よりはいい製品だと思うのだが、総合的に見ると見劣りするところも多くあって。
この記事を書いている現在は、本製品を返却済みだが、このスピーカーを梱包してテレビ内蔵スピーカーの音声に戻したときのその落差はひどいものだった。
この卵型の Olasonic TW-D7OPT は、音の粒が立つというか、明らかに音場が豊かになったことを感じることができる。
これは、あまりこういう製品に興味を示さないうちのかみさんでさえ、はっきりと違いを感じたところ。
こうして聴き比べると、テレビ内蔵のスピーカーの貧弱さというのが際立ってわかる。
最近のテレビは限られたスペースで画面サイズを稼ごうとしているので、内蔵スピーカーのポジションがどんどん追いやられ貧弱になってしまってきている。
大画面の美しさと反比例するかのように頼りなくなってしまった音声もこういう製品を追加することによって甦り、美しい映像をより輝かせてくれる。
消費電力の低さは、最近の節電の流れにも乗っているし、このデザインが嫌いでなければ、いい選択肢ではないかと思う。
「自動で電源の ON/OFF を行なってくれる」…節電が国民の義務となっている今、なんて素晴らしい機能なんでしょうと思わずにはいられません。
by HIROMI (2011-07-08 21:23)
HIROMIさん、コメント & nice! ありがとうございます。
オートパワー ON/OFF は、テレビとかレコーダーでいうところの待機電力は必要なので、できることならきちんと電源を切ったほうが有効ではあります。微々たる量ではあるのですが。
この手の製品を加えると、テレビの電源は切ったのにスピーカーの電源はうっかり切り忘れてた、なんてことが日常的にあると思うので、そういうのを防ぐためには非常に有効だと思います。
da-kuraさん、とみっちさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2011-07-09 07:35)
確かにおもちゃっぽい印象を受けますね。
前回の記事のときは、そこまで思わなかったですけど・・・。
このポップな形ならやっぱり色がいろいろ選べる方が
いいような気がします。
小さくて便利と、小さすぎてちゃちい・・・とは、紙一重ですね(^^;
by junko (2011-07-09 08:44)
結局、家電製品とか音響製品はどうしてもインテリアとか
自分のすでにある製品とあまり違和感ないかが決め手になります。
この光沢のあるプラスチックというのがスピーカーとしてはしっくりきません。形もあくまでわき役に徹して目立たないのが好みなので難があります。
ただし遊び心は評価できるし、思い切ったデザインも部屋によっては雰囲気づくりにプラス効果もあると思います。
by いっぷく (2011-07-09 12:13)
今使っている液晶テレビは、音が今ひとつなんです。
なので、こういう小型で性能の良いスピーカーが欲しいんですよね。
選択肢の一つとさせていただきます。
by ナツパパ (2011-07-09 17:15)
junkoさん、いっぷくさん、ナツパパさん、コメント & nice! ありがとうございます。
junkoさん、
このスピーカー、手に取るとずしりと重く、目を閉じた状態であれば重厚感に期待が膨らみます。
モノとしてはしっかり作っていると思うのですが、もうちょっと上質感があればと思います。
いっぷくさん、
書かれていますとおり、黒いプラスチックそのままの筐体というのが安っぽさを際立たせていて、見た目で損をしている製品だと思います。
つや消しカラーとか、ヘアライン加工とかしてあると、ぐっと印象が変わると思うのですが。
ナツパパさん、
液晶テレビの音にご不満があるなら、この製品はひとつの解決策になると思います。
音に関しては、なかなかのものだと思います。
めぎさん、きむたこさん、hideyuki2007yさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2011-07-09 21:12)
テレビを見ていても、ささやく声は全く聞こえなくて
それを聞こうと、ボリュームを上げると、それ以外の音も大きくなって^^;
邦画は字幕がないだけに、何言ってるかわかんなーい!ってなるんですよね。
なるほど、そんなときにこそスピーカーなのですね!!
by リュカ (2011-07-10 07:32)
リュカさん、コメント & nice! ありがとうございます。
スピーカーのダイナミックレンジが大きいと、小さな音も聴きやすくなります。
テレビ内蔵のだと、けっこうつらいですね。
by YAP (2011-07-10 07:59)