三度目の転職 謎の郵便物 [転職]
二度目のアメリカ出張から帰国後、たまっていた郵便物の中から立派な封筒を発見。
私宛で、「親展」と赤いハンコが押してある。裏にある差出人は、見たことも聞いたこともない、個人の名前だ。
中を開くと、これまた聞いたことない転職紹介会社の名前が。
内容はすぐに想像できた。
ある企業を紹介したいとのこと。社交辞令としか思えない、甘い褒め言葉が並んでいる。
心当たりのない会社なだけに、なんとも胡散臭く感じる。
その紹介したいという企業ついても、名前はもちろん、具体的なことにはまったく触れていない。
封筒には、丁寧に綴じられたファイルが入っている。
中を見ると...
私の担当となるかもしれないエージェントの人の自己紹介がまとめられている。
経歴や得意とする業界、顔写真まで入っている。
おそらく、突然の連絡に警戒心を持たせないようにとの意図だろう。
しかし、やはり警戒せずにはいられない。
私という人間をどうやって知り得たのか?
転職活動中ということをなぜ知っているのか?
さらには自宅の住所までなぜ知っているのか?
個人情報なんて、今の世の中、裏で氾濫しているだろうから、そんなに驚くことでもないかもしれない。
それにしてもだ。
こういう怪しいものを信じるべきか。
私はどちらかというと、こういう甘い話に対しては用心深く、ひっかからないタイプの人間だと思う。
この話も、断ることしか思いつかない。
黙ってそのまま放置という手もあるだろう。しかし、さすがに社会人としては失礼な気もする。
そのエージェントのメールアドレスも書いてあったので、メールで断りの連絡をした。
そのお断りメールを送ったところ、同じ日のうちに電話がそのエージェントからかかってきた。
口調は非常に穏やかで紳士的だ。
お、危ない、危ない。相手のペースにはまりかけていた。
とりあえず、話だけでもさせてもらえないかということだ。毅然と断るか、少しは話を聞くか、少し迷った。
このとき、二度目の転職のときの苦い経験を思い出した。そのときは、チャンスももらえずに完全に門前払いをくらい、悔しい思いをした。それだけに、むげに断るのも気が引けた。
とりあえず、会うだけ会って断ることにした。
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