三度目のアメリカ出張 デス・バレーその3 乾いた風景 [アメリカ出張]
ちょっと前置きを引っ張りすぎたが、今回は復興なったデス・バレーの風景を紹介したい。
乾いて荒れ果てた土地ではあるが、そこには言葉では表せない、不思議な美しさがある。
仕事で来ているわけなのだが、データを取りつつ走りながら向かう先は、自然と景色のいいポイントになってしまう。
酷暑地での評価のひとつに、高温でのエンジン再始動というのがある。
暑い中、エンジンを止めてしばらく置いておくと、ボンネット内がかなりの高温(100'C以上になることも)になり、ガソリンの中に蒸気が発生し、エンジンがかかりにくくなるのだ。
ということで、目的地に着いたら、しばらくの間、クルマを放置しないといけない。
その間は、やっぱり景色を写真に収めるくらいしかやることがないわけだ。
最も低い位置にある、バド・ウォータ(Bad Water)。
海抜は-85.5m。もちろん、アメリカでは最も低い。
白く雪のように見えるのは、干上がった塩だ。
反対側の崖の途中に見えるのは...(上の赤丸)
"SEA LEVEL" (海抜)の看板。
あそこに取り付けた人は、命がけだったんだろうなあ。
3年前に初めて行ったときは、水の一滴もなかったが、このときは水溜りのような池が。
いちおう湧いているらしい。前回は干上がってた?
この水をちょっと指につけてなめてみた。
うまい!
海水ほど辛くなく、濃厚なうまみがある。
これでパスタをゆでたらうまそうだ。
このバド・ウォータを見下ろす山の上、ダンテス・ビュー(Dantes View)へ。
いちおう個人が特定できないよう、ちょっと小さ目の写真を。これでも崖の先端に近く、かなりビビる。これ以上前には踏み出せない。
ここは海抜1600mくらい。
ここまで上ると風が涼しくて気持ち良い、と3年前は思ったのだが、このときは完全に無風状態。やっぱり暑い。
ここで、以前、Rusty Catさんがコメントくださった、「真空管の中にいるようだった」という言葉を思い出した。
たしかに、時々聞こえるかすかな風の音以外、何も聞こえない。
30mくらい離れたところにいる人の話し声さえも聞こえるほど静かだ。
帰国後、このダンテス・ビューからの写真を見て、気づいたことがある。
上は、3年前、ほぼ同じ場所から同じ角度で撮影した写真。
デジカメの違いで画質に差が出るというのはあるのだが、明らかに今年のほうが、山肌や、谷底の塩以外のところの土が黒いのがわかる。
塩の帯の幅も違う。
大雨で表面が流されたままなのだろう。
もうひとつ気づいたことが。
デス・バレーでは携帯電話の電波が届かない。
アメリカでも、携帯電話で絶えず誰かと話をしている人の姿が目につくが、ここではそういう人が全くいない。
それだけで、なんだか時間がゆっくりと流れ、心の余裕みたいなのを感じる。
10年くらい前はこれが普通だったというのに。
次回も、もう少し、デス・バレーを引っ張ります。
ボンネットの中が100度以上になるなんて。。。
ボンネットの上で目玉焼きもほんとにできそうですね。
目玉焼きにデスバレーの塩を一つまみ振りかけて食してみたいです。
by くっさめ (2006-10-06 21:33)
私はオホーツクに流れてくる流氷を見て、自然の力ってスゴイなって思います。携帯も届かないくらいの土地です。きっと神秘的なところなのでしょうね。
by (2006-10-06 21:55)
仕事もしながらこんな旅が出来るなんて羨ましい~
by concretephotograph (2006-10-07 00:52)
ここと中東ではどちらが過酷な地なのでしょうか。 アメリカ大陸未制覇の小生にはなんとも言えませんが。
関係ありませんが、ダンテス・ビューをダンス・デビューと読んでしまったのは小生だけでしょうか。
by 炎遊人 (2006-10-07 02:25)
くっさめさん、好(ハオ)くんさん、kobachiさん、炎遊人さん、コメントありがとうございます。
くっさめさん、
日本の夏でも、ボンネットの中はそれに近いところまでは上がります。
けっこう熱がこもるんですよね。
目玉焼きもできるでしょうね。
nice! ありがとうございます。
好(ハオ)くんさん、
自然の姿が守られているので、その雄大さ、神秘さを目の当たりにすることができます。
nice! ありがとうございます。
kobachiさん、
実際は、休みなし、睡眠時間も少ない、お客さんにはいびられて、かなり苛酷な出張でした。
この美しい風景が心の支えでした。
nice! ありがとうございます。
炎遊人さん、
おそらく、暑さも乾燥した空気も、環境的には中東とよく似ているのではないかと想像します。
こんなところが同じ地球上にあるとは、それも似たような環境のところが各地にあるかと思うと、不思議ですね。
みほさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2006-10-07 10:13)
なるほど!酷暑地だと車にそんな症状が出るんですね。
覚えておこっと。メモメモ
by basashi (2006-10-07 13:49)
こんなところあるんですね。
知りませんでした。
この日も40度以上なんですか。
by Jalana (2006-10-07 14:19)
basashiさん、Jalanaさん、コメントありがとうございます。
basashiさん、
暑いところも寒いところも、人が苛酷だと思う環境は、クルマにとっても苛酷です。
湿度の高い日本の夏も、温度の割にはけっこうきついんですよ。
nice! ありがとうございます。
Jalanaさん、
もちろん40'Cは軽く超えていました。
50'C近かったと思います。
エアコンの室外機の側に立っているような感じです。
by YAP (2006-10-07 17:09)
すご~い!!全ての景色にただただ圧巻!!ぜひ一度行ってみたいです(できたら涼しい時に・・・むりか?)
by こきさんじ (2006-10-08 09:54)
こきさんじさん、コメント & nice! ありがとうございます。
北半球が冬の寒い時期であれば、快適に行けると思います。
たしか、真冬でも30'Cくらいだったような。
湿度が低いので、過ごしやすいと思います。
避寒旅行にいかがですか?
きむたこさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2006-10-09 09:13)
こんにちは~。遊びに来ました。
なつかしいぃぃぃぃ。
じじも4年ほど前にデスバレーに行きました。洪水で変わってしまったとは聞いていましたが、バッドウォーターは前よりも真っ白に塩ふいているし、水たまりはあるしで、観光するには良い感じに変わった気がします。
by じじ (2006-10-10 10:41)
実は北米には食わず嫌いで一度も行ったことがないのですが、このような絶景を見せ付けれてしまうと、ちょっと食べて見たいという気がおきてきました。自然の過酷さと美しさがすばらしいですね!
by Kiri (2006-10-11 05:50)
じじさん、Kiriさん、コメントありがとうございます。
じじさん、
洪水が嘘のような復興した姿に、ただ感心するばかりでした。
デス・バレーはラス・ベガスからも遠くないので、苛酷な割には比較的行きやすいところですよね。
nice! ありがとうございます。
Kiriさん、
私も仕事で行くまでは、「アメリカなんて」と考えている一人でした。
テレビとかで見るのは、大都市の風景が多いのですが、アメリカの大部分は手つかずの大自然。
ヨーロッパとはまた違った発見があると思います。
ザッキーさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2006-10-11 08:06)