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水温計トラブル [クルマ]

トラブル第2弾は、パワステ修理後のことだった。
少々マニア向けの内容になるので、ご容赦を。
トラブルシューティングということで、FTA(Fault Tree Analysis)的な内容も含んでいるので、多少は仕事のヒントになるようなこともあるかもしれない。

以前の記事で書いたが、私は、後付けで水温計を付けている。(純正カーナビ付車は水温計がないのです...)
この水温計が、妙な挙動を示すようになった。

普通に走っているときは、100'C前後のそれらしい値を指しているが、信号停止からの発進等、少し強い加速時に、一気に60'Cくらいまで下がるのだ。
その後、一定車速になるとまた落ち着く。
数日しばらく様子を見ていたが、そのうち、水温計が最低目盛りの20'Cから動かなくなってしまった
かと思うと、ときどき復活して正常そうな水温を示したりもする。
ちなみに、この水温計は、エンジン制御で使用している水温センサから電圧をもらっている。

仕事で、この手のトラブルにはよく遭遇するのだが、原因を見つけるには、考えられる要因をひとつずつ順につぶしていかなければならない。

今回のケースでは、実際に水温を拾っているところから表示されるメータ部までのどこかに問題があるのは間違いない。
それを切り分けて考えていく必要がある。

上流から順に考えてみる。

(1) 実際に冷却水温が急激に変化している。
(2) 水温センサ周囲で、温度が急変する現象が発生している。
(3) 水温センサに異常があり、妙な挙動を示している。
(4) 水温計の配線に異常がある。
(5) 水温計本体に異常がある。

(1)
これは、エンジンの現象として考えられないので、無視

(2)
最初はこれを疑った。冷却水の径路にエアが噛んで、それが抜けずにいるのだと思ったのだ。
水温センサ付近にエア溜まりがあると、加速時(エンジン回転上昇時)に水温センサ付近の冷却水の流量が増えたときに、水温センサの拾う温度が一気に下がり、今回のような水温挙動を示す可能性がある。
しかし、もしそうだとすると、もっと高い温度域(120'Cくらいから80'Cくらいに下がるような動き)で針が動くはず。
ということで、関係ないとは思うが、完全に切り捨てはできないので保留

(3)
もし、水温センサがおかしければ、エンジン全体の制御の動きは、その水温に合わせた挙動を示すはず。
例えば、水温が低いときは、アイドル回転が高くなる。
しかし、信号待ちでタコメータを見ていると、水温計で20'Cを示しているときも正常な暖機後の値(700rpm)くらいを示している。
つまり、同じ水温センサの信号を使っていながら、エンジン制御用のコンピュータの認識と水温計の認識がずれているのだ。
で、エンジンの挙動から、水温計側がおかしそうだ。
これで、(1)~(3)の可能性が、完全に消えた

現象からわかるのはここまでで、あとは実作業が必要になる。
(4)について、作業のしやすい箇所から手をつける。

まずは、目に見える範囲の配線を目視チェック。
エンジン制御用コンピュータのコネクタからエンジンルーム内から車室内につながる穴まで、見た目でおかしなところはない

次に、コンピュータ側の配線接続部をチェックする。
エンジンをかけた状態でかみさんに運転席に座ってもらい、水温計を凝視してもらう。
私が配線接続部を手で引っ張ったりして、そのタイミングに合わせて水温計の表示がおかしくなれば、ここの接触が悪いということになる。

ここで見事に引っかかってくれた。
私の手の動きに合わせて、水温計の針がピクピクしているようだ。
加速時におかしな挙動を示すのは、加速度でこの接続部が傾いたときに、偶然接触が悪い向きになったのだろう。

この接続部のかしめをやり直したところ、水温計は元通り、正常な水温を示すようになった。
これでスッキリ!その後は快調だ。


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Jalana

車には手を入れませんが、こういったモノの修理って好きです。
うまくいくと気分も晴れますよね。
by Jalana (2006-10-22 01:10) 

YAP

Jalanaさん、コメント & nice! ありがとうございます。
こういうのって、仕事だと面倒で嫌なのですが、自分のクルマのことだと、けっこう楽しいものです。

ザッキーさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2006-10-22 13:19) 

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