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VW ゴルフ GT TSI 試乗 前編 [クルマ]

以前から興味のあった、フォルクスワーゲン・ゴルフGT TSI に試乗した。
その話を2回に分けて書こうと思う。
今回は前編として、エンジンに関して書くことにする。

 

このクルマの目玉技術の一つが、"TSI" と呼ばれるエンジンだ。
ガソリン直噴エンジンを、スーパーチャージャーターボチャージャーで過給している。
このエンジンで1400kgを超える車体を軽々と走らせるが、驚くのはその排気量。
わずか1.4Lなのだ。
ただ、二つの過給器と、それらを覆う化粧カバーで、エンジンはそれほど小さく見えない。

これは、今後のガソリンエンジンでも重要な技術となっていく、「ダウンサイジング」というコンセプトを具現化したもの。
「ダウンサイジング」については、そのメリットを過去に詳しく書いたので、そちらを読んでいただければと思う。
過去記事は、こちら

 

走り始めて感じたのは、まったく不満のない、余裕のあるトルク感
低回転ではスーパーチャージャーが、高回転ではターボチャージャーが、それぞれの運転域で過給を受け持ち、1.4Lのエンジンから2.4Lクラスのトルクを引き出している。
スーパーチャージャー部には電磁クラッチとバイパス用のバルブがついていて、高回転では完全にターボに過給の分担を受け持たせるようになっているが、その切換えは、意識していてもまったく気づかない。
室内への遮音がしっかりしていることもあり、回転上昇くらいはわかるが、その他の耳障りなノイズは届いてこない。直噴特有のカチカチというインジェクタ音もない。
わざとラフなアクセル操作をしても、システム上ラグが発生しにくいので、乗っている限りは大排気量NAだと言われてもわからないくらいだ。

試乗のときにいつも残念だと思うのは、燃費がわからないこと。こればかりは実際に長い時間乗り続けないことにはわからない。
カタログ上は、10・15モードで 14.0km/L となっているが、ディーラーの方の話によると、都市部の街中でも、10km/L 以上は確実に走るとのこと。
Cセグメントというカテゴリーに分類されるこのクラスのクルマで、この数値は驚きだ。
ダウンサイジングによる燃費メリットは、なかなかすごい。
日本国内での税制は、排気量で区分されているので、当然のことながら、このクルマは、1.0~1.5Lの範囲に区分される。

環境に優しく、財布にも優しい、噂通りのエンジンだった。

 

後編では、もう一つの技術の目玉、DSGについて書く。


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コメント 10

いっぷく

最近の車はこんなに隙間なくいろいろ詰まっているのでしょうか、
「ダウンサイジング」って知らない間に進化してますね。
by いっぷく (2007-05-27 18:36) 

じじ

最近、じじが好きなスポーツタイプの車が無くなってきて、さて次は何に乗ろうかと思っていますが、実はゴルフにも興味津々なこの頃です♪
by じじ (2007-05-27 23:57) 

くっさめ

今は車無し生活ですが、必要になったら買おう。と言う気持ちで街中を走っている車を見てます。
知り合いがゴルフに乗っていてええなあ、と思ってるんですが、今回の記事でさらに興味ガ沸きました。
by くっさめ (2007-05-28 01:34) 

炎遊人

最近小排気量車にはあまり興味が無く、TSIの意味すらここで知るまで小生には??でした。 勉強になります。
スーパーチャージャーとターボチャージャーの切替ポイントがわからないというのは素晴らしいと思います。 スーパーチャージャーの特性は比較的コントロールしやすいと思うのですが、スーパーチャージャー加給をカットするタイミングに瞬時にターボ加給に移行するバルブがどんな構造なのか気になります。 もしタイミングが遅いと息つき状態になるだろうし、早いとターボが逆回転しそうな…。 そもそも小生が想像するバルブとは根本的に違うのかも。
by 炎遊人 (2007-05-28 05:51) 

YAP

いっぷくさん、じじさん、くっさめさん、炎遊人さん、コメントありがとうございます。

いっぷくさん、
最近のクルマは、どれもこんな感じでボンネット内はギュウギュウですね。
このクルマのヒットで、小排気量過給エンジンは増えていくのではないかと思います。
nice! ありがとうございます。

じじさん、
特に日本車では、スポーツタイプのクルマが少なくなりましたよね。
私も残念でなりません。
ゴルフは魅力的なクルマだと思いますよ。
私には、ちょっと背伸びが必要なクラスになってしまいますが。
nice! ありがとうございます。

くっさめさん、
ゴルフを運転したのは、ゴルフIII GTI 以来でしたが、ずっと世界中で売れているだけあって、いいクルマだと思いました。
技術的にも興味深いものがありますし、持つ喜びもあると思います。
nice! ありがとうございます。

炎遊人さん、
切替えポイントという表現が適切でなく、誤解させてしまったかもしれません。すみません。
ターボチャージャーはある回転からは、それなりに効かせていると思います。ただ、それでは低回転でラグが発生するので、スーパーチャージャーを使っています。
それも、高回転では機械的な抵抗が増えますので、ターボが十分に効く回転でクラッチを切って、ターボに全て過給をまかせる、と。
ターボの過給圧は、ウェストゲートという排気のバイパスがあって、それを使うことで制御しています。
by YAP (2007-05-28 08:12) 

chii

いつか夫が働き出して車を買うときがきたら
ゴルフにしようと、漠然と決めています(私ひとり^^
環境に優しく、財布に優しく←いいですね♪
がんばってもらわなくては!
by chii (2007-05-29 08:08) 

basashi

なるほど、そんな技術があったんですね。
実は、オランダでレンタカーを借りていた時、ヨーロッパの車は何で
こんなに低排気量の車ばかりなのだろうと疑問に思っていました。
排気量の増加と共に税金がドカンとかかるからなのかなぁなんて
勝手に考えていたのですが、これも一つのアイデアだったとは...
ヨーロッパの方って、日本人よりも環境のことをもっと真剣に考えて
いるんですね。
by basashi (2007-05-29 20:51) 

YAP

chiiさん、basashiさん、コメント & nice! ありがとうございます。

chiiさん、
これだけ地球環境についていろいろといわれていますが、正直なところ、自分の財布が第一優先になってしまうという人がほとんどだと思います。
それだけに、こういうクルマの存在はありがたいですね。

basashiさん、
ヨーロッパの自動車業界は、こういう分野での技術革新がすさまじく、日本車は、ハイブリッド技術以外は置いていかれている気がしないでもないです。
新世代ディーゼルが新車販売の約半分ということもありますし、日本や北米とは、消費者の考え方も異なるところがありますね。
by YAP (2007-05-30 08:05) 

おっさん

15年程前ですが、日産マーチでスーパーターボと言うのが有りましたよね、1000ccより少ない排気量のOHCエンジンにターボとスーパーチャージャーを乗せて出力的には1600ccクラスでラリーとかワンメイクレースなど活躍したと記憶しています。
このエンジンを今の技術で甦らせたらなんて思ってしまいます。
by おっさん (2007-05-31 01:16) 

YAP

おっさんさん、コメントありがとうございます。
ありましたね、マーチスーパーターボ。
あちらは、完全に競技用ベースとして、出力を出すためのツインチャージャーでしたので、発想が異なりますね。
過去に消えた技術が、別の発想で現代に蘇るというのは、おもしろいですよね。
by YAP (2007-05-31 08:05) 

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