KENWOOD コンパクト Hi-Fi システム K-521 レビュー その2 [モノ]
さて、KENWOOD K-521 の詳細レビューを。
スッキリした本体デザインは、本体側の操作系もしゃれている。
斜めにカットされた本体上部のスイッチ部は、ピアノ調のクリアブラックのタッチパネルになっていて、本体の質感と合わせて高級感を演出している。
ボリュームのダイアルのブルーの照明も、こういう装飾はいやらしさが出る場合があるがそうでもなく、不要と思えば点灯させないこともできる。
本機種には、上面に iPod 用ドックコネクタと USB端子が備え付けられている。
KENWOOD の商品ラインナップには携帯オーディオもあるというのに、それでも iPod のドックコネクタが装備されているのは、それだけ iPod が市民権を得ているということだろう。
iPod は、これまで単体(ヘッドンホンまたは簡易卓上スピーカ使用)か、車内でしか使ったことがなかったが、いやあ、驚いた。
圧縮された音源ということで軽く見ていたのだが、これがなかなか澄んできれいに聴こえる。
iPod も家庭での観賞用ソースとして、十分に役目を果たすということを実感した。
リモコンでの操作もできるし。
CDを聴いたときも思ったのだが、音の質としては、万人に受け入れられるような優しい音色。
それでいて、グラフィックイコライザーまではいかなくとも、かなりトーンの調整の自由度も高いので、自分の好みに調整もしやすい。
この高音質を支えているのは、レビューその1でちょこっと紹介したデジタル回路構成もあるが、このスピーカーもなかなかのもの。
この上質な美しさは、40,000円程度で購入できる製品についているものとは思えない。
もうひとつ特筆すべきは、CONEQという音場効果システムで、スピーカから出力される音を、そこから広がる球面波としてしてイコライジングすることで、聴く人のポジションに関わらず原音に忠実な音が再現できるというもの。
書いててもよくわからないので、詳しい解説は専門ページへ。
http://www.realsoundlab.jp/coneq
原理はわかったようなわからないような感じだが、効果ははっきり体感できる。
これが素直な音質をより自然なものと感じる効果を生んでいるようだ。
この製品には、光デジタル入力端子と、サブウーファーの出力端子も装備されている。
テレビやレコーダのデジタル出力とつないで、2.1ch のシステムとしても、かなり力を発揮してくれそうだ。
では、恒例の、独断による本機種の採点を。
性能;9点
これまでも9点をつけてきた製品はあるが、正直言って、その上をつけたい。
かと言って、この先めぐり合うかもしれない、もっとすごい製品のためにこの項目の満点は取っておきたい気持ちがあり、そういう矛盾した気持ちの中での9点です。
自然な音は心地よく、ずっと聴いていたい気にさせられる。
この小さなボディでアンプも40W+40Wと、パワフルなので、リビングでテレビとつないでもいいだろう。
機能;9点
これも、欲を言えばきりがないわけで、かと言って特別いろいろな機能がついているわけではない本機は、10点をつけることはできず。
iPod に対応していたり、デジタル入力端子を装備していたり、それなりの拡張性はある。
操作性;6点
本体側の操作ボタンは最小限。
基本的には、リモコンを使用しての操作となるのだが、前回レビューしたU-K323とよく似た操作性は、KENWOOD製品である程度共通させているのだろう。
U-K323よりもいくらかいいのか、自分が慣れたのかはよくわからないが、取扱説明書が必要になるような操作に迷うことはなかった。
かと言って、決して操作性に優れているというわけではなく、まあ、可もなく不可もなく標準的といったところか。
もっと慣れれば使いやすくなるのかなあ?
デザイン;10点
個人の好みが完全に分かれるであろうこの項目だが、私は満点をつけたい。
シンプルなボディに、スピーカも美しい。
カラーバリエーションは、他にも、ブラックがあり、メーカーホームページからの直販専用で、この記事で紹介したシルバーの本体にブラックのスピーカが組み合わされたものがある。
コストパフォーマンス;10点
これはもう、文句ないだろう。
家電量販店での実勢価格が35,000~40,000円程度。
それでこの性能である。
前回レビューした同じKENWOODのU-K323より10,000円くらい高いが、製品の狙っているポジションも違うし、それだけの性能差も十分にあると思う。
総合;44点
見事に私のレビュー記事での最高得点を更新した。
正直なところ、これは自分でもほんとに欲しいと思った。
ただ、狭い我が家では使うのにふさわしい場所がないので、今のところに住んでいる限り買うことはないだろうが。
この価格でこういうレベルの製品が買えるというのは、消費者としてはうれしい時代だ。
(一方で、製造側からすると厳しい時代だろう。)
このコンパクトなサイズから、寝室や書斎で使うようなサブ機のように見えるが、リビングで家庭内のAVシステムの中心に置くのにも十分な性能だ。
本体、スピーカともに小型なので、レイアウトの自由度も高い。
これは、間違いなく「買い」だと言える。
iPodもまだ持っていない身としてはその良さを実感するのはいつのことやら・・・という感じですが、なかなか良さそうだというのはよく分かりました。
Kenwoodについて、以前の記事でお尋ねがありましたね。長い間気がつかなくて済みません。ドイツのオーディオに凝っている人には結構評価高いようですよ。
ドイツでオーディオに凝りたい人が憧れるのはBang & Olufsenです。デザインもカッコイイし、音が非常にいいそうです。
by めぎ (2010-04-26 03:36)
おお、高得点が出ましたねえ。
ipodを簡単に利用できるのは良いなあ。
ipod使いの息子にはとても便利な機械、と思います。
それで40000円を切る価格ですか...ますます良いですね。
by ナツパパ (2010-04-26 08:08)
音響売り場に行ってみたくなりますね。
これもよさそうだし、迷いそうです。
最近の製品は見かけほど値段が高くはないんですね。
by いっぷく (2010-04-26 20:41)
KENWOOD捨てがたしですなぁ。
過去のAudio Makerのようにつぶれないで欲しいものです。
春日無線電機→TRIO→KENWOODと頑張ってきているのですからね♪
by 監督 (2010-04-27 13:39)
めぎさん、ナツパパさん、いっぷくさん、監督さん、コメント & nice! ありがとうございます。
めぎさん、
ヨーロッパメーカの製品は、オーディオ好きにはたまりませんね。
Bang & Olufsen なんて、憧れの的ですよ。
私も、リビングのスピーカは TANNOY のものを使っています。
ナツパパさん、
iPod って、小型で携帯するためのものと思っていましたが、こういう風に家庭の中でも実力を発揮するということがよくわかりました。
今後のオーディオ製品は、iPod が使用できるかという点も選択のポイントになっていくのかもしれません。
いっぷくさん、
そう、最近はどれもかなり安くて驚いています。
きっと、作る側はその分苦労しているんでしょうけど。
監督さん、
最初の「春日無線電機」というのは知りませんでした。
私が知っているのは、TRIO からです。
これまでにも、歴史あるオーディオメーカやブランドがなくなっていきましたからね。
オーディオ好きとしては、ちょっと寂しいです。
KENWOOD は、今も存在感がありますので、今後もがんばってほしいです。
きむたこさん、モカさん、いとおさん、junkoさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2010-04-28 07:43)
ドックがあるのは便利ですよね。
私はウォークマンですが、PCを立ち上げるのがおっくうな時は非常に
活躍しています。
by フェイリン (2010-04-28 10:56)
お久しぶりです。
先日札幌で久しぶりに大型家電量販店へ行ってみたのですが、
選びきれないほど多種多様ですね。
このiPODから始まるシステムを買うのは、我が家には相当先になると思うのですが、
iPODがな何やらもよくわからないので、
中国の一般家庭の人が、家の電話を持つ前にケイタイとPCを持つようなくらい「お初」だと思われます。
ウォークマン、ファミコン世代のあおいです。
by あおい (2010-04-28 13:04)
フェイリンさん、あおいさん、コメント & nice! ありがとうございます。
フェイリンさん、
ウォークマン用のドックをお持ちのコンポをお持ちということでしょうか?
携帯オーディオの存在感って、以前よりも増してますよね。
あおいさん、
iPod は、一度使い始めると、きっと驚かれると思いますよ。
携帯オーディオというジャンルにとどまらず、音楽の楽しみ方を劇的に変えたといっても過言ではないと思います。
私は、実のところ Apple 派ではないのですが、それでも iPod だけはもう手放せません。
北のほたるさん、toraneko-toraさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2010-04-29 07:59)