三度目のスウェーデン出張 アイスホテル その1 [スウェーデン出張]
しばらく間が開いてしまったスウェーデン出張記も再開します。
お待ちかね(?)のアイスホテル訪問記。写真が多くなってしまったので、二度に分けての掲載をお許しください。
待ちに待った休日。
クルマを借りることができなかったので、ホテルのフロントでタクシーを呼んでもらい、アイスホテルへと向かった。
キルナからクルマで20分くらいの、ユッカスヤルビ(Jukkasjarvi)という街にある。
やはりシーズンも後半のせいか、前の年に見たものよりも、氷が汚れている気がするのが少し残念。
一歩中に入ると、そこは別世界。このホテル、宿泊しなくても、日中は120クローネ(1800円くらい)で内部を見学することができる。
入場料を払うと、その日の入館証となるシールをくれる。これを見えやすいところに貼って中に入る。不正入場を防ぐために、いちおう3色くらいで日替わりになっているらしい。
ベッドがあるだけのスタンダードルームは軽くのぞくだけで、各国の腕自慢が彫刻の技を競うスイートルームへ。
すばらしい彫刻で飾られた、スイートルームの数々。
館内は外に比べれば暖かいが、それでも-5'C。見るだけで十分満足、泊まるのはやっぱりご遠慮願いたい。
ここには、氷のグラスでお酒を飲める、アイスバーも併設されている。が、残念なことにこの日は休み?なのかわからないが、立ち入ることさえできなかった。
デデッデッデーデデーデデッデーデー
次回は、教会と劇場を紹介します。
(世界の車窓からのテーマ & 石丸謙二郎さん風ナレーション)
三度目のスウェーデン出張 海外でのヒヤリハット [スウェーデン出張]
「ヒヤリハット」については、以前書いたこちらの記事をご覧ください。ちなみに、私の過去記事で、閲覧数は断トツのトップを爆走中の記事だ。
週末も近づいてきたある日のこと。
お客さんのエンジニアと一緒にテストをすることになり、私の運転で一般道へ出た。
数時間テストをして、テストコースに戻った。
その時期、私が担当するプロジェクトでは、日本から私だけの参加だったが、別のプロジェクトで、違うチームの同僚が参加していた。
週末の休日、日本人二人でどうしようかと相談し、アイスホテルに行ってみようということになった。移動の足は、私のプロジェクト側で、試験車両を一台貸してもらえることになっていた。
ところが、そのもうひとつのプロジェクトのお客さんから、思いがけない言葉を聞いた。
「そういえば、うちの試験車はスウェーデン人向けにしか保険に入っていないぞ。もし事故とか起こしたりすると、自腹での補償になるからそのつもりでいろよ。」
何という衝撃の事実。
休日にクルマを借りるという話はキャンセルするしかない。万が一のことで、この先の人生を台無しにするわけにはいかないので。
それよりも、私は既に試験車両で一般道を走っていた。一緒に乗っていたお客さんエンジンニアも、そのことは知らなかったらしい。無事故で無事に帰って来られたことを、これほどありがたく思ったことはなかった。
この日の前日、テストコース内の掲示板に、一枚の紙が貼り出されていた。
ある自動車会社がスウェーデン内でのテストトリップ中に、一般の人を巻き込む事故を起こしてしまい、その方が亡くなったという内容だった。
私たちにしてみれば、違う会社の話だと思いたいのだが、一般の人からしてみれば、
「自動車会社が一般道で、車検も通らない試作車で事故を起こして人をひき殺した。」
という話になるだろう。
決して他人事ではなく、私たちの仕事を社会からきちんと理解してもらうためにも、自らの問題として受け止めなければならない。
三度目のスウェーデン出張 スカンディック・フェルム [スウェーデン出張]
毎夜、ダイナマイトの振動が伝わるホテル・ケブネを2泊でチェックアウトし、キルナで一番(と言うほど豪華というほどではない)のホテル、スカンディック・フェルム(Scandic Ferrum)へ移動。直線で1kmもないほどの移動距離。この街のメイン・ストリートをまたぐ程度だ。
それでも、ここまではダイナマイトの振動は伝わってこない。安眠は保証される。
ジャジャーンとそびえる、スカンディック・フェルム。
いちおう、ヒルトンホテルグループのブランドのひとつ。「スカンディック」の名前が示す通り、ほとんどが北欧に集中している。
部屋はこんな感じ。ベッドが乱れて見苦しいが、お許しを。
ホテル・ケブネと比較すると、やはり広い。
電話はかなりレトロ。
太陽が沈むと(まだ夜と呼ぶには早すぎる14:30頃)、空には月が。
三度目のスウェーデン出張 時期が遅い? [スウェーデン出張]
みなさん、こんにちは~!
いつも楽しい記事でお世話になっている方のブログから、オープニングネタを完全にパクってしまいました。
「他人のふんどしで相撲を取る」とは、まさにこういうこと。
あおいさん、ごめんなさい!それにしても、これはちょっとグロテスク?
前の年、初めてのキルナを見て、雪の美しさに感動した。
ところが、この年はそうでもない。
もう3月も近く、冬の終わりが近づいているせいだろうか。
道端の雪は、少し泥をかぶったような灰色がかっているし、ところどころ、黄色いシミみたいなのや茶色い物体もある。犬の散歩中に排泄されたものだ。
この時期は天気のいい日が続くらしいので、上から新しい白い雪で隠されることもない。
前の年、宿泊していたスカンディック・フェルムの向い側の公園には、
このような美しい雪像がいくつか並んでいた。
今年は、それらの雪像も、ところどころ壊れていたり、やっぱり黄色いシミがついていたり、とても写真に収めようという気にはならない。
スウェーデン北部へ旅行に行かれる方(あまりいないと思うが)は、1月までがお勧めです。
三度目のスウェーデン出張 寒冷地テストでの必需品 [スウェーデン出張]
2月中旬から3月上旬にかけての出張期間、北極圏は少し暖かくなってきている。
-10'Cを超える日もあったりする。そうはいっても、やはりここは北極圏、-20'C近くまで下がる日が多い。
この滞在中の最低気温は、-22'C。
おまけに我々の仕事は、-30'Cまで冷やされた、クルマがすっぽり入る冷凍庫みたいなところでテストをやることも多い。
そこで、欠かせない秘密兵器を紹介。
まずは、発熱する肌着。○ンゼの誇るハイテク製品(?)だ。たしかに、これが一番下にあると温かさがまったく違う。「おっさんくさい」と言われようが、寒さには勝てない。
この上に普通の冬の時期に着る服を重ね着し、さらにダウンコートを2枚重ねる。
頭からは、この帽子。
かぶるとこんな感じに。ちょっとでも風が吹くと、耳が痛むほどなので、やはり耳の保護は必要だ。
あとは、靴の中、背中、ポケットの中に、日本が誇るハイテク暖房、使い捨てカイロ。
こんなのに頼りながら、体を張っていたのでした。
三度目のスウェーデン出張 ホテルケブネ [スウェーデン出張]
こんな北の果ての小さな街でも、ホテルが混む時期があるようだ。テスト・トリップのホテルの手配は、いつもお客さんの会社にお任せなのだが、この年は、前年泊まっていたスカンディック・フェルムというホテルが全日程で予約できなかったらしい。
この出張、わずか2週間の間に、同じ街の中で3回もホテルを移動しなければならない。
というわけで、最初に宿泊したのが、こちらのホテル・ケブネ。「ケブネカイセ」という、スウェーデンで一番高い山から名前を取ったそうだ。
その名前の割に、小ぢんまりとしたホテル。
こんな感じの静かな住宅街の一角にポツンとある。
現地に行くまでは、「予約が取れたところでずっといればいいのに」と思っていたのだが、部屋に入って、なんとなく理解した。
スカンディックと比べると、部屋は狭いし暗い。あまりに狭くて、全容がわかる写真も撮れない。ベッドも日本のシングルと変らないくらいなので、スーツケースを広げると、ご覧のようにいっぱいいっぱい。これでは体の大きいスウェーデン人にはきつい。バスタブもなくてシャワーのみ。
だが、部屋からの眺めは、なかなか良好。鉄鋼山がよく見える。
このホテル、致命的な欠点があった。いや、ホテルが悪いわけではないのだが。
毎深夜1時か2時頃、地震のような地響きを伴った激しい揺れがある。もちろん、こんな北欧に地震が起こることはほとんどない。
キルナの街を支える世界一の地下鉱山で、毎晩深夜にダイナマイトで岩盤を崩しているそうだ。鉄鉱山に近いせいで、その振動がモロに伝わってくるのだ。
これは、かなり図太い人でも目を覚ますだろう。ましてや毎晩だ。
実は、これがこのホテルに長居をしない一番の理由だった。
ここで2泊する。
三度目のスウェーデン出張 往路 ANA & SAS ビジネスクラス機内食 [スウェーデン出張]
前回好評だった、機内食の紹介を。
まずは、全日空NH209便。
珍しく、ワインなんぞを頼んでみた。トマトのピクルスというものを初めて食べた。残念ながら、この日の食事では、これが一番だった...
前菜は、ゼラチン状のものが、サーモンにはさんであるもの。表現しがたい不思議な味。
窓際席だったため、陽が写りこんで見えにくくなってしまった。この日はメインに洋食のベジタリアンメニューを選んでみたが...
マッシュポテトみたいなのにホウレンソウベースのソース。これもまた、表現するのが難しい味。
デザートはチョコレートケーキとアイスクリーム。
到着前のセカンドサービスも洋食を。視覚的にも微妙だが、これはウインナー。
続いて、スカンジナビア航空SK638便。
エビは焼いただけだが、香ばしくておいしかった。フライトで疲れている体にセロリも嬉しい。
前回の出張記で紹介した、全日空の機内食は非常に評判の良いコメントを多数いただいたが、このときのメニューはちょっと...
まあ、こういう日もあるということで、ご参考になれば。
三度目のスウェーデン出張 往路 [スウェーデン出張]
このときも夏のアメリカ出張時と同じく、一人さびしくの出張だった。しかし、このときはスウェーデンの拠点から、ローカルスタッフが一人参加してくれたので、完全にお客さんの中で一人ぼっちということはない。
毎度のごとく、早朝、夜が明けない時間に自宅を出発。某地方空港を離陸する頃になって、ようやく明るくなる。
成田でも毎度のごとく3時間以上の待ち時間。
ラウンジで現地での仕事の準備をしていると、少し離れたところから、大きな声での二人組の会話が耳に入ってきた。
「アイドル安定性が」とか、「燃焼が」とか、なじみのある専門用語が聞こえる。同業者に違いない。この時期だと、目的は私と同じく、寒冷地でのテストだろう。こういう場で仕事の話をするのはちょっと問題だ。話の内容から、どこの会社の人たちかわかってしまった。ちょっとは機密管理に気を使った方がいいと思うのだが。
それにしても声がでかい。さらにビールを飲みすぎているのか、真っ赤な顔でろれつも回らなくなってきている。同じ飛行機で席が近かったりすると、ちょっとしんどいかも。
残念なことに、飛行機は同じだった。が、幸いにも席は離れているようだ。少なくとも私が乗る2階席にはいない。
ロンドンヒースロー空港での乗り継ぎしか経験なかったが、このときは初めてのフランクフルト乗り継ぎ。
ドイツ、スウェーデンは、ともに「シェンゲン協定」というEUの国境検問廃止に同意した協定国なので、ドイツで入国となる。ちなみに、イギリスはシェンゲン協定国ではないので、イギリス経由だと最終目的地で入国となる。
初めての空港、しかも海外のハブ空港は大きくてよくわからない。
乗り継ぎの案内表示にしたがって、自分が乗るストックホルム行きのゲートを目指す。
途中には、長い地下道も。
ここでも待ち時間が長いため、ゲート近くのラウンジに入る。
かなり混雑していて、やっとこ隅のほうに座れる席を見つけた。
このフランクフルト・マイン空港は、まさにルフトハンザのための空港という雰囲気だ。空港の内部は、ドイツらしいメタル調の壁や天井で、あちこちこちにルフトハンザの黄色地に青文字のパネルが目立つ。
滑走路の景色を見ても、ルフトハンザの航空機しか見えない。自分がANAで到着し、SASで出発するのが信じられない。
少し落ち着いた頃、離れたところから、大声の日本語が聞こえてくる。もしやと思ってそちらの方向を見ると...
やっぱり成田で見た某自動車メーカの人たちだ。ビールとソーセージで盛り上がっている。日本人としてこれはちょっと恥ずかしい。
しばらくして搭乗時間。
なんと、大声の日本人二人も同じ搭乗口に。近くの席だったら、大声の会話は注意すべきだよなあ、と思いつつ機内へ。
幸いにも、席は離れていて、その後も大声は聞こえてこなかった。
夜も更けてきたストックホルムへ到着。前の年と同じように、空港内のホテルで一泊しなければならない。
空港のターミナル内をホテルのほうへと歩いていると、前方に例の日本人二人組が。
どうやらホテルまで同じようだ。空港ターミナル内にホテルはひとつなので、ここで宿泊するなら、これはしかたないか。
明けて翌朝、キルナ行きの便が発着する国内線ターミナルへ。
行ってみると...
おおっ、例の二人組が!
たしかに、前の年も他の自動車会社がテストしているのをキルナで見たので、やはりキルナへ行く会社は多いのだろう。
しばらくすると、ヨーテボリからの便が到着。お客さんの会社や同じ会社の現地拠点のエンジニアたちがぞろぞろとやって来た。
再会を喜びながら一路キルナへ。
また-20'Cの中で寒さに凍える2週間が始まった。
三度目のスウェーデン出張 再び北極圏へ [スウェーデン出張]
これから暑い夏へと向かっていくというのに、真冬の、それも1年以上前の話。季節感がなくて、どうもすみません。
上司との間で、会社を辞める辞めないともめている頃、お客様から北極圏へのお誘いがやってきた。毎年冬の恒例行事、寒冷地へのテストトリップだ。目的地は、前年と同じく、スウェーデンのキルナ(Kiruna)。
既に何度も書いているが、暑いのは平気だが寒いのはほんとに苦手。このときも、発熱する肌着や、使い捨てカイロ等、防寒対策はしっかり準備した。
おさらいがてら、この前の年の出張記事から、キルナの紹介を。各リンク先をご覧ください。
- キルナの紹介
- 世界一の地下鉱山
- アイスホテル
- オーロラ
こちらは、キルナのシンボル的建築物である、キルナ市庁舎。
では、次回から本編へ入っていきます。
二度目のスウェーデン出張 みやげ [スウェーデン出張]
あまりの短期で、しかも、じっくり買い物をする余裕もなかったので、あまり珍しいものを見つけられなかった。
このとき購入した唯一の土産らしい土産がこれ。ガラス細工で有名な、スウェーデンならでは。
Matts Johnassonのクリスタル。リンク先のHPもきれいな製品が並んでいるので、おすすめです。
あとは、スウェーデンでおなじみのお菓子、KEX。もちろん、1年以上前のが残っているわけないので、インターネットで発見したイメージを。ご覧のように、キットカットの親戚みたいなものだ。板チョコ大のと、一口サイズの袋詰めがある。
これにて、「二度目のスウェーデン出張」シリーズは連載終了します。お付き合いいただき、ありがとうございました。
次は、海外出張シリーズの持ちネタ最終回となる、「三度目のスウェーデン出張」ということで、北極圏のキルナでの話を書こうと思っています。
今後もよろしくお願いします。